1.画面の表示に待たされる・・・
近年その手軽さから、インターネット初心者を中心にブログ(日記形式のホームページ)がはやっており、多くのインターネットサービス会社でブログサービスが行われています。
しかしながら、ときおりアドレスを打ったり検索画面からクリックしてもなかなか画面が現れず、やっと出てくると大きな画像や動画がいくつも貼り付けてあり、しかもそれが長〜くスクロールしていたりするものにお目にかかることがあります。
あまり待たされるので、パソコンが固まったんじゃないかと錯覚するほどでした。
そういう中、ホームページの作り方を学ぶ過程でインターネットを検索していると、「8秒ルール」という聴きなれない言葉を耳にしました。
さっそく調べてみると、ウェブサイトの運営における暗黙のルールであることがわかりました。
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2.8秒ルールとは?
8秒ルールという言葉が生まれたきっかけは、アメリカ合衆国の調査会社「Zona
Research」が1999年に発表した報告書、「The Need for Speed」です。
この報告書は、本来オンラインショッピングのウェブサイト(ホームページ)運営に関する調査に基づくものですが、その中でユーザーがページの表示を待つのに我慢できる時間が8秒で、それを越えると大部分のユーザーが我慢できずに商品の購入をあきらめてしまうということが示されたのです。
また、その不快感を味わったユーザーが同じウェブサイトに戻ってくる確率は、表示までの時間が長くなるほど、大幅に低下することも明らかになりました。
これによりビジネスチャンスを逃したウェブ際と運営会社の損失額は8億ドルを上回るとも試算されており、1ページあたりのファイル容量を抑えることが必要だとされています。
1999年当時は光ケーブルをはじめとするブロードバンドはそれほど普及していませんでした。その普及により、同じ内容でもそれほど待たされることはなくなっていると思います。
最近では8秒でも長く、5秒ルール、3秒ルールという言葉も生まれているそうです。これは閲覧者が短気になったということもあるかもしれませんが、ブロードバンド利用者がそれほど待たされることがなくなって、平均的な表示待ち時間そのものが短縮されたことによると思われます。
一方、それで大容量の画像や動画を載せて表示しようとするサイトが増えたため、かえって時間帯によっては何十秒、何分も待たされることがあります。
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3.8秒ルールはすべてのホームページ・ブログ運営者のルール
紹介した報告書はショッピングという営利行為に関するものですが、人を待たせ不快感を与えることを控えたいのは、営利・非営利に関わらず、またインターネットの世界でなくてもごく当たり前の一般的なルールです。
ホームページやブログの作成者は、自分の思いを表現したいという気持ちが強ければ強いほど、一ページあたりの容量を増やしてしまうということはあるかと思います。
しかし、結果としてそれを閲覧する人の気持ちに配慮がなされず、独りよがりな作品を作ってしまうことになり、ホームページやブログの本質がないがしろになってしまうことになりかねません。
では、現在どれだけの容量のファイルであれば、またどれだけの時間までなら許されるか、ということですが、閲覧者のパソコン等の機能に委ねるところもありますので一概に数値的な基準で決め付けることはできないと思います。ただスペックの低いパソコン利用者もいることを考えると、大きな画像や動画を複数挿入したページを作成することは極力控えるべきだと思われます。
8秒ルールは、ウェブサイトは常に読者、ユーザーの立場に視点を置いて運営すべきである、というコミュニケーションツールに共通する概念の一つとして、今でもウェブサイト運営者に対する不文律になっていると理解すべきだと思います。
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参考文献:アスキーデジタル用語辞典
:ブロードバンド事典(ソニー)
:JEITA(社団法人電子情報技術産業協会)ITインダストリーレポートds
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